新登場の【JOG125】、定番の【アクシスZ】どっちがいい?

新登場の2台、その価格差は?

2022年秋、ついにリリースになったJOG125。発表になったばかりでまだ現車はないが、カタログを眺めてみると様々なことが見えてきた(もちろん憶測の域を出ないが)。とにかくわかったことはロープライスで親しみやすさを追求したモデルであること。だがまてよ、そのコンセプトのモデルだとついこの前アクシスZがマイナーチェンジしたばかりではないか。そんなことを思いながらJOG125の存在意義を考えてみることにした。

JOG125がNEWモデルとして登場。ヤマハHPより

まず初めに、どちらのモデルも比較的廉価モデルの立ち位置であることは間違いない。125ccクラスで30万円以下のモデルは、物価高でどんどん上がっていくスクーター市場において今や貴重な存在だ。早速その差額を比べてみると、アクシスZが税込みで27万1700円だ。対するJOG125は25万5200円、差額は1万6500円だ。価格の面でみると無視できない差額と言えなくもない。この2台、果たしてどちらがお買い得なのだろうか。

より魅力を増して登場した「アクシスZ」。ヤマハHPより

2台の積むエンジンの特性と燃料タンクの違い

早速カタログスペックを比較してみることにした。1万6500円の差額を埋める魅力はあるのだろうか。まず初めにエンジンを比較してみると、2台ともエンジン型式は「E33VE」とある。空冷のSOHC2バルブという比較的シンプルなエンジンで、スペック的にはハイメカ好きな方には少し物足りないが、シンプルで故障時の修理代も比較的安価に済むというメリットを考えるとモデルのコンセプトには合致している。最新のスマートジェネレーター(セルの始動音がしないやつ)を装備した新しいタイプだ。この機構がついていると、特に疲れた体を引きずって乗ることの多い通勤マシンの場合地味にストレスが少ない。同じエンジンなのでここは互角と言えるだろう。アクシスZに試乗した際には、低回転域から力強く割と元気な印象のエンジンだった。ひとつ前世代のアクシストリートが燃費追求型の非常に重い印象のエンジンだったので、その差に驚いたのを記憶している。通勤などに使用しても通常は非力さによるストレスを感じることはないであろう頼もしい実用エンジンだ。

新世代スマートジェネレータを装備。ヤマハ製品ページより。

次に燃費についても同じエンジンなので基本は同じ。2台ともWMTCモード(実際の使用状況に近い値)で51.9km/L (クラス1)1名乗車時とある。最近のモデルらしく燃費はかなりいい数字だ。アクシスZの燃料タンク容量は5.5Lだから満タンからの航続距離は約285kmということになる。もちろん完全に空になるまで走るわけにはいかないので、実用距離は250kmくらいだろう。よくある1日に片道5km程度の通勤を週5回で使用すると、5週間に1回ペースということになる。あくまで雑な試算だが。

対するJOG125は燃料タンク容量が4L、つまり1.5Lアクシスに対して少ないことになる。1.5Lで走れる距離が約78kmなので、JOGの満タンからの無給油航続可能距離は約208km、実用的には180km位とみておくべきか。さっきの通勤計算にのっとると約1カ月弱で給油がやってくる。2台の燃費は同じなので経済性はどっこいだが、給油の手間の少なさに関してはアクシスZに軍配が上がる。

収納や使い勝手を見てみる

スクーターの優れた部分の代表格、ラゲッジスペースを見てみよう。まずアクシスZは容量が37.5Lだ。もちろんタイプにもよるがモノを選べば二人分の収納も可能だ。もちろんフルフェイスヘルメットを2つ収納することは無理だが、そういった場合にもシート前方にヘルメットフックを装備しているので安心だ。A4サイズのファイルが収まる面積があるので、いろいろつぶしが効きそうでもある。ただし大容量のラゲッジと引き換えにシート高は770mmと少し高め。

アクシスZは収納力と使い勝手が魅力。ヤマハHPより。

対するJOG125は、21.3Lの容量だ。アクシスZに比べると心許ないが、そのおかげでシート高は735mmとかなりフレンドリーだ。ラゲッジ容量が気にならなければアクシスZに比べて大きなアドバンテージだ。50ccのように使えて、125ccの法規や性能が必要な方にはベストマッチだ。

フロント側にはヘルメットフックを2つ装備している。ヤマハHPより引用

ブレーキの違いによる2車のコンセプトの違い

アクシスZとJOG125、この2台を分ける要素の一つとして、ブレーキの違いがあげられる。ブレーキには大きく分けて2つの種類があり、一つは現在スポーツバイクでは主流の「ディスクブレーキ」がある。メリットとしてはコントロールのしやすさや整備性、そして隠れたステータス性もある。実際に必要かどうかよりもディスクかドラムか、やキャリパー取付方法、さらにはディスク径など目立つ部品だけあり気にするライダーも多い。対する「ドラムブレーキ」は、ディスクブレーキに対して高い経済性や転倒時にダメージを受けにくいなどメリットも多いが、現在はビジネスバイクや比較的価格を抑えたモデルに採用されることが多い。

さて、アクシスZにはフロントにディスクブレーキ、リアにドラムブレーキという機構を採用している。対するJOG125は前後ともにドラムブレーキだ。例えばNMAX125は前後ブレーキともにディスクブレーキを採用し、そこにABSを搭載してかなり高度なブレーキ制御を行っている。車体を共有しているNMAX155は有料道路も通行できるため、必須装備と言えるが贅沢だ。シグナスグリファスは125ccだが前後ともディスクブレーキを採用、左右のブレーキの操作フィールを統一出来て非常に快適だ。

モデルにより搭載するブレーキを細分化して、必要な性能に見合ったものにすることで車両価格を最適化できる部分もあるのだろうが、豊富なラインナップだからこそできるターゲットとなるユーザーに最適なブレーキシステムをチョイスしているのだろう。そうしてみるとラインナップの中で最もお手頃なJOG125には、購入後も費用の掛かりづらい前後ドラムブレーキを採用するのもうなずける。ディスクブレーキにこだわりがある方にはプラス16,500円でアクシスZが用意されているのだ。

UBSのイメージ図 ヤマハHPより

ちなみに2車にはいずれもUBS(前後連動ブレーキ)を装備しているので、現代の交通環境で使用するブレーキ性能として十二分であることは間違いない。

この2台、それぞれどんな人にお勧めか

非常に買いやすい価格帯のこの2台、どんな人にお勧めかを考えてみたが、アクシスZに関しては大きなラゲッジスペースやフロントディスクブレーキ、そしてゆったりとした車体が魅力。足つきが気にならない人で経済性も大事だが少し走りも気になる人にはうってつけだ。対するJOG125はコンパクトな車体と徹底したコスト感覚が魅力。止める場所や足つきなど、50ccに近い感覚で使える所が魅力だろう。アルバイトでお小遣いが限られる学生さんや、小柄な女性やご年配の方にも扱いやすそうだ。それぞれ棲み分けされた魅力のある2台に今後も注目したい。

JOG125の取り回しの良さは大きな魅力だ。ヤマハHPより

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